2022.9.10 クライミングジム鳳来 〜避けられなかった鳳来の呪い〜

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ロックビーンズで叱咤激励を受けて、スポートの復帰を10月序盤と考えていた。

この夏の予定の計画が全て天候でダメになったせいで、小川山の予定が潰れ、クラックもやれていないし、マルチもやれていない。
小川山に行く時に、ワイドクラッカー北平さんのクラファンでステッカーを受け取りに行く予定になっているのだが、早くしないと北平さんが出発してしまう。
で、9/17,18で計画していたものの、案の定台風が発生しダメになった。
 
永遠のザイルパートナー神保さんと予定していたので、近場に変更することに。
天気予報と睨めっこすると一番気温が低いのは鳳来で、瑞浪はクソ暑そうなレベル。
アプローチ遠いからやだなぁと思っていたけど、ここまで鳳来が避けられて空いているのを何度も目の当たりにしたり、Kowallリード店に行くのに鳳来方向に誘導されたりと、前からお告げはあったようなもんだし、もう呪いの類だと諦めて鳳来に行くことにした。
 
久しぶりの鳳来、せっかくなのでカズミさんも誘ってみると、偶然にもガンコに行く予定にしていたということで、現地でご一緒することになった。
 
当日、駐車スペースへ向かう道は若干湿っていた。
久しぶりすぎで2人とも小瀧橋駐車場までの道が若干うろおぼえだったが、先に到着していたカズミさんと旦那さんと落ち合い、8時23分に出発。
ガンコまでジャスト1時間のアプローチで時計を見たら9時23分だった。
 
道中しっとりしており、蒸し蒸し、気温もそれなりに高く汗が止まらない。
アプローチの途中で「今日はもう登り込みのトレーニングに切り替えよう」と腹をきめた。
三連休の中日で、近場の天気的にも鳳来を選ぶ人が多いんじゃないかと思っていたが、駐車場の車の台数がほとんどなく、自転車も3台しかなくて「あれ〜?珍しいな」と思いながら、貸切か?と思っていたら、我々だけの貸切になった。
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基礎練を始めてから頑なに拒んだ鳳来でのリード。
基礎が固まっていなくて変な癖がついたり、体がまた痛くなったりするのが嫌だし怖かった。
当日も痛くなるの嫌だなという気持ちはあった。
目標として昔RPしたルートを全て再登しようと決め、今日は10本登ろうと腹をくくりどんどん登ることにした。
 
まずはかんたんじゃないかんたん10aでアップし、その後2年半前にすんなり登ってしまい、ほとんど記憶になかったタップダンサーの再登を目指す。
かんたんで既に腕が微妙、中腹にあるガバカチホールドでどんどん吸われる、ホールドが見つからず行ったり来たりしていたらパンプしてテンション。
上部ではルートがわからずテンションした。記憶と全く違い、「左右にこんなに行くルートだったっけか!?」とトップアウトし、やる気を無くしてそのまま降りた。
 
次はもう11aなので、冷たいやつを触る。
じっくりホールドを眺めオブザベしていて気づいた、なぜこのルートに苦手と感じたのか。
序盤で核心が出てきて、心の準備ができていないところをついてくるからなのと、ちょうど壁と体の間合いが近くなるからだというのを改めて発見した。
 
神保さんが先行で登ってくれたので、ヌンチャクをお借りして、すんなり核心と思われる箇所へ。
「またですか、いやぁこんにちは、ホールドがみつからねぇ!」状態。
いくつかキーホールドとムーブを確かめ、そのままトップへ。
 
なんか嫌になったので、お口直しにカズミさんがかけてくれたユカ 11aをやる。
個人的に11aのなかで一番簡単に登ってしまい、タップダンサーよりも簡単だった、11aじゃないと周りに言ったルート。
他の11aと比べてわりかし短く感じ、核心がワンポイントだったので、記憶にある程度残っていた。
がやはりほぼオンサイト状態。
落ちるかもなーと思いながら、なんとか一回で再登。腕が既に爆発しそうである。
過去に思った感想と同じで、タップダンサーの方がキモく難しいと感じてしまった。
 
その後、また冷たいやつに戻り、本日2回目で再登。流石に疲れてきたのか、最後は息も絶え絶えだった。
多分他の人が使わないであろうガバポッケを経由している。(リーチで解決が否めない)
過去登れた動画とも違うところを使用している。
 
本数的にはまだ4本しか出していないので、もっと登らないとと思ってどすこい11aに手を出す。
マスターで登る。トラバースのところまで、言ったが、
「ホールドこれ?あれ、ここか?あれ?ねぇえぇぇぇぇ!」でテンション。
過去できなかったことがすんなりでき、ムーブ解決もできてしまった。
11台を楽しむというのはこういうことなんだなと実感したし、それができるレベルになったということなのかなと嬉しくなった。
もう一回登ればよかっただけど、暗くなってきているし、急がないとと思い、回収して降りる。
 
もう腕がやばいので、最後の追い込み。
トップロープで冷たいやつをやる。すんなりだったところが疲労で手が出せない。
「うぇ〜〜〜い」状態wwww
途中敗退し、間髪入れずにかんたんへ。もちろん2回テンション。
腕はぽんぽこぽんである。
 
トップロープ、テンションかけたのもあるが、とりあえず全7本で終了。
講習会ルートやるの忘れた。またの機会だな。
 
<登った順>
かんたん 5.10a 再登
タップダンサー 10d 2テンTO
冷たい男 11a 1テンTO
ユカ 11a 再登
冷たい男 11a 再登
どすこい 11a 2テンTO
冷たい男トップロープ 途中敗退
かんたん 2テンTO
 
一応8本だしてた…wwww
 
<スポート復帰の前哨戦を終えての感想(基礎練の成果)>
基礎練を続けてきて、身についているか自信はないし、登攀力も上がった感覚もない。
周りからケツを叩かれてようやく実践に戻ったわけだが、今回このタイミングで来てよかったと思った。
 
純粋に、心から、グレードを気にせず「クライミング楽しい」、「もっと登りたい」
そういう気持ちが登っている間全くつきず、リード特有のハラハラ感、緊張感を楽しめている自分がいた。7本登った後でも物足りず、もっと登りたいと思った。
帰りの晩御飯でいつも寄る福寿司の丼セットが格別に上手く、また「こんな清々しい気持ちでご飯をここで食べられたのは初めてだ!」と思うほどに楽しくて仕方がなかった。
 
当たり前のことを書いたのだが、この当たり前ができなくなってしまう人が少なくはないんじゃないかと個人的に思っていたりします。僕自身がそうだったのもあります。
基礎練を始める前の当時の体の状態と心境を合わせて正直に記載します。
 
今回再登した11aのルートは記録を見ると2020年の3月や4月頃登っているが、それ以降再登できずそのままだった。
過去に12aを登ったが、その後指を完全に痛め、鎖骨周辺の筋肉が痛くなり、リードのモチベーションが上がらなくなった。ボルダーでも痛くなるようになり、いつしか登る行為自体を楽しむことができなくなってしまった。
そしてどんどん下手になっていく感覚しかなく、それでも11台が登れる様、ジムで登り込んだり、自分なりに色々していたものの、岩場に来ても登れず楽しめず、周りがどんどんルートを登るのを眺め、悲しくただただ虚しい気持ちになるだけだった。半分病んでいる状態だったと思います。
最終的に、花崗岩の5.10aも登れなくなるような状態になりました。
何をやってもダメなんだと、センスがないんだと、自分でそう思うようになり、最後の砦で残っていた登りたい気持ちもいつしか消え失せ、半ば逃げるようになり、向き合うのをやめました。
「頑張っても報われないし、何も残らない。結局これがないとダメな訳じゃないし、人生それが全てじゃないからもういいや」なんてクライミングしない普通の人たちからしたら、当たり前のことを思っていたわけです。
ただ、クライミングがしたい、高グレードを登ってみたいと思うクライマーにとっては、ここまでくると死活問題な訳です。負のスパイラルです。
 
その後、やっと部活道レッスンを受けることができ、受講後に腹をくくりました。
「もしこれをしばらくやって自分のなかで何も変わらず成果が出なかったら、本気でクライミングを辞める。これ以上ダラダラ続けても体を壊すだけだし、何も変えられない」
そう決意し、今に至ります。
 
1年基礎をやり込み、誰がなんと言おうと室岡さんから「外行っていいよ」と言われるまでみっちりやろう。そう考えながら気づけば1年3ヶ月基礎だけに特化して打ち込み、外が恋しくなったら軽いボルダー、クラックはOKとしてやってきた。(実際はたまにスポートに行ったが、ほとんど登り込んでいない。写真撮影してました。)
変化は徐々に現れ、その変化を周りからも言ってもらえるレベルになった。
 
部活道の基礎八箇条が全部身についた、習得したという状況ではないが、今回過去RPしたルートを登って練習してきたことが生かせていることを実感したし、1年みっちりやっていたことが自然と動きの中で再現されていて、それが面白くて楽しくて嬉しくなった。
基礎練のおかげだと思った点としては壁との距離、間合いの概念だ。
この概念が備わったことにより、いわゆる「狭い」という感覚がはっきりわかり、かつ今自分がおこなっている動作がいい間合いにないから動きづらくなっていると理解することができるようになった。
 
冷たいやつがなぜ苦手なのかも間合いが関係しており、過去再登できなかった理由も今ではしっかり分析して把握できる。
 
なんとなくそう感じる、感覚としてあるという状態なので、上手く言語化できないので申し訳ないのですが、そういうことなのである。
僕みたいにメンタル病んでもクライミング続けたい人、成果がなかなか思うように出ない人は部活道を受けてみるのをお勧めします。
特に何が原因なのかわからない、トレーニングもしているのに上達しない、なにも変わらない、どうしたらいいのかわからないと困っている人、ジムの人に聞いても明確にならないのなら、尚更です。
ラニット@部活道がそのうち告知されると思うので東海圏の方は参加してみると良いです。
 
長くなりましたが、あと数回ほどRP済みのルートを何度かトレーニングとして登り、宿題としていたルートを片づければ、12台への挑戦できる状態になれるかなと思うので、ぼちぼちやろうと思います。
 
今週末も行けたらトレーニングに行きたいなぁと思うところではある。
 
なげぇ!!!おわり!