ビレイデバイスの比較とレビュー

なんだか全く書いてない。最近歳なのか、回復力が遅くて困っている。
常に筋肉痛で外に登りに行っている気がする。

さて、今回はビレイデバイスについてレビューしようと思います。
個人的な意見ばっかりですが、ビレイデバイスどれがいいのか悩んでいる人の参考になれば良いかなーと思います。
ちなみに私が持っているもののみのレビューになります。
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たかがビレイデバイスですが、昨今色々メーカーが出しているためその種類は膨大ですが、
細分化すると細かくなりますが今回は

1: チューブ型、いわゆるATCと呼ばれるタイプ
 (対象:BlackDiamond ATCガイド、Petzl ベルソ)

2: ブレーキアシスト機能付き いわゆるGriGri(グリグリ)のタイプ
 (対象: Petzl グリグリ、エーデルリッド ギガジュル、クライミングテクノロジー アルパインアップ)

に分け、比較と個人的な使用感とかを書こうかなと。

①まずは王道のATC型 ザ・王道です。
僕が持っているのはPetzl ベルソですが、このタイプはさして大きな違いはありません。
スポーツ用でスロットが1つだけの仕様、対象のロープ径の違い、摩擦抵抗を大きくするための切り込み等各社色々出してますが、
基本チューブ型はどれも一緒です。
よく「ビレイ器具は最初からグリグリ、初心者はグリグリで良い」という人がいますが、まずはこの王道で全てのビレイができるようにして、どういった原理で止まるのか等を知った上で移行すべきと思います。

②BlackDiamond ATCガイド これもザ・王道
マルチ、シングルピッチ、懸垂、登り返し、やりたいことは全てできる。汎用性が高く一番安心できる。
暑かろうが、クソ寒い雪山だろうがどこでも安定した能力を発揮してくれます。
マルチやる人は最初からこっち購入してください。
ペツル だとルベルソ、マムート だとバイオニックだっけ?
僕は最初に買ったのがベルソで失敗して散財しましたww
マルチ用でなくてもフォローをビレイする方法はありますが、買っといたほうがいい。持ってて損は絶対ない。

今回の目玉はこっからですね。
今アホみたいにこぞってみんな使うブレーキアシスト付きビレイデバイス
個人的には用途を選ぶものが多い、癖があるものが多い感じが否めない。

③Petzl グリグリ こいつも王道になってますね。
使用感:
トップロープなら使う、リードでは積極的に使いたくない。と言うのが正直な感想。
リードビレイ時のロープを送り出す際、ロック機構を親指で押さえて、左手のみでロープを送り出すことになり、疲れる。
機構の押さえるポイントがちょっと違うだけで無駄に抵抗力が上がったり、
ロープの置いてある位置(ビレイデバイスに対してロープが右側にあるか、左側にあるか)でも抵抗が大きく変わる。
IMG_7462.jpeg←こうだとロープの抵抗が無い
IMG_7461.jpeg←こういう風に持つとロープと指が干渉する。グローブしてると一発アウト。
リードの際、クライマーがクリップ動作に入る初動を起こす前にすでにロープを送り出し始めるが、
そのモーションに追従できないことが多く、ビレイしていて超怖い。僕の中では「使えないクソ鉄くず」の認知へ。
そもそも、ロープの送り出しは左手を送るのと同時に右手もロープを送り出しているのに、右手封印されるのが気に食わない。

その代わり、トップロープでの使用はグッド。あとこれをアッセンダーがわりに使ったりと用途はそれなりにあるけれど、
持ってても出番は少ない。まぁ一個は持っててもいいけど必須でもない。重いし、ちんちんに直撃してくると超痛い。

④エーデルリッド ギガジュル
メガジュルが先に出て、そのあとこれが出て「クソ高い!」と驚愕した覚えがある。
当初は、「これクソだ!」と思ったものの、色々試して戻ってきてみたらしっくりきて、今ではブレーキアシスト型の中ではメイン機。

使用感:
ATCガイドと同じ形をしていて、ブレーキの機構も他者と比べて複雑でないため、直感的に使用できる上、汎用性が高い。
アシストモードでは当初ロープの送り出しに難があったものの、慣れれば快適。
封印されし右手問題も許容範囲。
不安要素は雪山で使用する際、ロック機構のスライダーが氷ついて使用不能になるかどうか、
氷がついた状態だとどうなるかであるが、実験していないので不明。

👇アシストモードでの使用。アシストモードはアンカーにつける輪っかがあっち側(ハーネス側とは逆側、写真右の向き)
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👇ダイナミックビレイをしたい時にデバイスを変える必要なく、ATCと全く同じ感覚で使える点がグッド。IMG_7465.jpeg

懸垂下降ではバックアップがなくとも軽く持っておけば止まるし、バックアップが必要な時は普通のATCと同じ様に使える。
👇マルチのフォロービレイのセットもATCと同じ感覚で可能。登攀以外でのタイムロスやトラブルも少ない。
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クリックアップとクリックアッププラスが主流で有名だし人気。今回はマルチ用途で他にないかと購入してみた。
使用感:
好みでない。高いくせに痒いところに手が届いていそうで全く届いていない系。しかもカラビナを選ぶ。
セット時に合わないビナを使用すると手間取る上、デバイスが変な向きで挟まる。
ビレイ開始前から何かとストップすることが多いし、確認事項が増える。
ブレーキアシストモードは通常のATCと同じ感覚でロープの送り出し、取り込みができるが、一度ロックすると解除に手間取る。
「俺が下手くそ?慣れてないだけ?」と思ったけど、やっぱり機構上に難点があると思う。
マルチピッチする時には絶対に持って行ってはならないビレイデバイス

👇アシストモード。あえてCT社のビナを使用せずにセット。こっちは基本ビナは選ばないが…
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👇ロープを二本使用する場合、通すのに手間がかかる。
 で、ビナをこの角度にしたのは、ロック解除しようとすると毎度ここで引っ掛かりが起きて、スムーズに外れない。
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👇ダイナミックモード。ATCと同じ感覚で使えるが、穴が小さく、カラビナを選ぶ。
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👇実際にロープを通すとこんな感じ。そもそもロープ二本にこの穴径だと、セットに時間がかかる。(写真左)
 またセットでついてきたビナだと通す時にひっかかる。(写真右)
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👇フォローのビレイのセット(左)
 ロープ通す時に一々ビナの組み合わせの相性を気にしなければならないのはダメだろ。干渉するとこうなる。(右)
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👇残りの穴は、ビナを通してストッパーにしてロワーダウンさせたり、ロープを出す際に使用する。
 正直これもセットに時間がかかる。
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👇ロワーダウンや懸垂加工の時に使用するレバーになる。簡単に言えばグリグリのレバーと同じ。
  だが、これもビナに干渉してスムーズにロワーダウンさせることができない。
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やはりATCガイドが一番安定して使える。アシスト機能付きはやっぱりギガジュルがいい。
両方とも軽いし、ちんちんに当たることもないし当たっても痛くない。
そしてやっぱり目視確認がしやすく、トラブルが少ない、各セットにも時間がかからないし、不要な心配事がない。
マルチをやるにあたりこの辺りはめちゃくちゃ大事だし最優先事項。
ビレイ機で散財しない様に肝に銘じよう。

終わり!