2022.5.6 高木山 美濃加茂の岩場

もう2週間近く前の話だが、

ついこの間、やっと高木山の岩場(通称:美濃加茂の岩場)に行ってきたので、記録しておくことにした。
まず、今回色々思うことを書いたが、クライミング行為自体が自己責任だからと一言で片付けられる内容であるが、今後高木山の岩場を利用する方にとって有益な情報、事故の未然防止に繋がればと思う。 
ルートに関しても記載したが、オンサイトしたい方、不要と思う方は無視してもらえればと思います。

先に注意事項を供述しておく
この岩場に関しては地権者の許可を得て開拓等をしているわけではないらしい。 
その上岩は脆く、安定しているだろうと思っていても不意に欠けたり、くずれたりする可能性を孕んでいる。 
行くのであればしっかり安全管理ができ、支点の良し悪し、ナチュラルプロテクションの技術、支点構築の技術がしっかりある人と行った方が良い。 
初級、中級向けゲレンデだからといって安易に取り付くと重大事故に繋がるため、節度ある行動をすることが求められます。

ここから記録本編開始
2年くらい前にSNSだかでたまたまこの岩場の存在を知り、検索をかけるとがおろ亭さんのブログに辿り着き、情報を知る。
ずっと気になっていて行きたくても中々行く機会とメンパーに恵まれず、あれからかなり時間が経ってしまっていた。 
行くメンバーがいないというのは、この岩場はグレード的に見てしまうと初、中級者向けの岩場とされている為、そんなグレードに興味がない、
登る必要がないという人しか周りにいない、いても予定がずっと案内という悪循環が続いていた為だ。 


前置きが長くなったが、最近基礎が定着し始め、リードも基礎練で行っていき、実際の外リードにも展開し始める必要性が出てきたので、そろそろ簡単なルートでリハビリを行いたいと思い始めていた。 
そんな所、今年頭に受傷し、捻挫から復帰し始めた波乗りITOさん(ミウラITO→キメラITOへ)が、瑞浪かフェイスのある所がいいという事で、高木山がちょうどいいかもしれないと思い、提案し実行。 
 駐車等の位置、トポ情報に関しては先述したがおろ亭さんのブログを参考頂きたい。 

当日は、9時くらいに集合。 
最寄りのインターを降りて走っていると、フクベの帰りに車のパワーウィンドウが開きっぱなしになり、途中ピットインしたファミマがあって、岩場はそこから見えていた笑
人間焦っているとあんまり周りの景色が見えていないものだな。 

 無事に駐車スペースに入り、装備を色々思案する。 
今回はNPルート、30mを越えるルートもやりたいと思ったので、ほぼ小川山に行く装備に近い内容となった。 

<装備内容>
・ヘルメット (これはこの岩場は必須)
・シングルロープ 80m
・ヌンチャク 10本くらい(15cmと17cm) 
アルパインヌンチャク 3本
・カム
 X4:0.1,0.2×1
 C4: 0.3-0.75×1、#1-4×2、#5×1
 メトリウスマスターカム:#1~3
・支点構築用のスリング、安環付きビナ、普通のビナ等 

<岩場に対しての総括>
 簡単で長いルートもあり、内容もフェイスだけじゃなく、薄かぶり、カチカチ、がっしり持てる系、クラックと色々と遊び尽くせる。しかし、ルートによってはプロテクションが取りづらかったり、ランナウトする。
普通にスポートルートの岩場みたいな感覚で行くと普通に死ねる。危険。
装備も心持ちもアルパインライミングに行く感じでいるべき。
山屋のための岩場だなという感想。

1ピン目がやたらめったら遠く、グラウンドを通り過ぎてマイナスグラウンドフォール(取り付いた高さを0mとして、それよりも下に落ちること)する箇所があり、自信があろうがなかろうがプリクリした方が良い箇所が散見された。 
1ピン目を取ったからといっても安心出来ず、2ピン、3ピンも遠かったりするので、10台グレートと言えど、岩の状態も相まって、確実に全てのムーブをスタティックで行い登り切れる実力がないと怖いと感じた。

グレードに関しては0.5〜1グレード位辛め(ルートによる)に感じた。初見で登るとそう感じたが、やりこむと多分妥当に感じるのだろう。まぁ実力あるクライマーじゃないので、当てにならんと思いますが、知らんけど。


<登ったルートと感想> 
登った順に記載していこうと思う。
基本的にグレードの基準はリードジムのグレードの体感と比較して記載するが、あまりあてにはならんだろう。 

①リハビリルート1 5.5 (25m) OS
IMG_4698.jpg
チャートなので、崩れてぼろぼろ、あんまりガバもないのかと思ったら結構普通にいい感じのガバが揃っていて、グイグイ高度上げれる系。 下部が苔苔なので最初怖い。
上の部分に関しては5.5ではないと思う。普通に5.7か5.8付けとけば良くないか?と思った。
使ったギアは写真の通り(マイクロカムから上に向かって使用順)。 
IMG_4699.jpg


②リハビリルート2 5.6~5.7 NP (20m) OS
写真撮り忘れたが、体感グレード的にはリハビリルートとおんなじくらいか5.9くらいにしといても良いんじゃないか?と感じた。内容的にリハビリルートの斜度を90度に近づけた感じ。

③森のちから 5.9 (20m) FL
IMG_4701.jpg
ITOさんがオンサイトしたので私はフラッシュ。 写真は登るITOさん。
楽しめるルートだが、途中浮石があったりするので注意。

10aくらいでいいんじゃね?

 リングボルトがありそこは別ルートと記載されているが、すぐ上にハンガーがある。違う場所?よぅわからん。

長良川鉄道 5.6 NP (25m) OS ☠️
IMG_4702.jpg
カムをきちんと使いこなせる人が登るべきルート。

練習に最適とあるが、チャートの性質を考えた場合クラックがあってもカムを決めても信用できる箇所であるのかどうかを見極める必要性がある。

また箇所によってはランナウトする。

このルート内でおおよそ5メートル、7メートルのランナウトをすることになった。

自分もまだまだカム決めの技術が足りないのもあるが、ナッツが有効になる箇所もあったかもしれない。

そもそもナッツを取り付きまで持ってきていないかったので試していない。

ちゃんと気をつけないと下手すると重大事故の可能性を含んでいるルート。

とりあえず気持ちのいいクライミングではなかった。

写真は使用したギア(0.5から上に向かって使用順)。
IMG_4704.jpg

⑤ハッピークラック 5.7NP (15m) OS
IMG_4705.jpg
ガバもあるだろうし、そんなに大したことないだろうと思って取り付いたら、出だしで結構悪くて、若干苦労した。そのあとは快適ハンド、フィスト、フェイス登りへと移行していく。
内容は普通に楽しいクラックでした。瑞浪の同名ルートと違いちゃんと挟まれる幸せを教えてくれ、幸せになれます。
体感5.8つけといてもいいじゃねと思ったが、クラックのグレードは基本低グレード付いてても難し目のものが多い気がするので、こんなもんでいいのかも。
ちなみに終了点は結び替えなので、注意。
写真は使用したギア(上から下にに向かって使用順)。
IMG_4707.jpg

⑥夏休み 5.10b (13m) TO
嫌いなカチ系。これ本当に10b?このルートがある面は結構細かく崩れた跡が見て取れる。
グレードに影響する欠けもあるっぽい。普通にピン間遠いと感じた。落ちたら嫌なので、突っ込むことはせず、テンションかけてTO。

⑦ナイフブレード 5.10a (30m) OS
IMG_4711.jpg
写真は登るITO氏。
勝手にここの岩場の看板ルートだと思っている。だって長いし、ちょうどいいグレードだから。
が、1ピン目がやたらに遠い。177cn、縦リーチ230センチくらいある私が3手くらい上に進んで1ピン目に届くくらいだったはず。
1ピン目の前に0.3くらいのカムを決めたが、決めている時間に腕が張ってくるので、登れる人は登ってしまった方が安全な気もした。
下部の乗っ越しと上部のフェース面を合わせて10aとしたっぽいが、10bくらいと感じた。途中ロープドラッグで落石を誘発させるリスクがあるので注意。
余談だが、80mロープでロワーダウン完了後はこんな感じ。70mでもいけると思う。
60mだとちょっと不安かも?
IMG_4708.jpg

ブルース・ブラザース弟 5.10a (7mくらい) TR
10aにしては悪い。これも10bくらいで良くね?と思った。一手ものといえば一手もの。
またピンが遠い。マイナスグラウンド課題

ブルース・ブラザース兄 5.10bc (7mくらい) TR
兄が右側、弟が左側にあり、終了点が一緒。
こっちはカチ系だけど、10cでよくね?カチ痛い。嫌い。

早計大体160mくらい?
まだ看板課題と思われる課題もやっていないし、全ルート触れていないので、また行きたいと思う。
色々気になるところはあって、不安な気持ちは拭えないが、私の様に低グレードでぐいぐい登れるルートをたくさんやりたいとか10台でたくさん遊びたいなど、その願いを叶えてくれる大変貴重な岩場だ。
今後も気をつけながら利用させていただきたいなと思う。