部活道始めからその後2ヶ月たっての覚書

6/19、6/20に多治見のグラニットで行われた部活道に参加し、それからそこで学んだことを反復練習し、早いもので2ヶ月がすぎた。
部活道に出会った経緯、参加してどうだったかを自分用メモ的に書いておこうと思う。
最近、”部活道”、”基礎練”というワードをクライマー諸氏の投稿で多く目にするし、
タイミング的にもちょうど良いのかなと思う。

周りの仲間にも部活道やった方がいいよ、基礎練した方がいいよと宣伝して回るほど、のめり込んでいる。回し者と認識されてもおかしくない。

部活道ってなに?という人はまずyoutubeで検索して見てほしい。


<なぜ自分が部活道に行き着いたのか?出会った経緯 (長いです)>
2015年1月、新しい趣味としてボルダリングを始めた。
それからリードがしたくて山岳会に入り、本格的にフリークライミングというものにのめり込んで行き、今では割れ目教に入信し、割れ目教徒(狂徒?)と化している段階である。
ライミングをおおよそ6年くらいやってきている中で、初期の頃から指をやらかし、
登る⇆怪我する を繰り返してきている。

2017年あたりから、伸び悩みの打開策が見つからず、周りの登れる人に、どうすれば上手くなるのか聞いたりした。が、自分が欲しかった回答はそこになく、
基礎っぽく思える回答としては「足で登る」、「足を使って乗り込む」だったが、釈然としない。
その他の回答として「登り続けるしかない」、「パワー」、「握れ!」とか、「離さなければいい」とか「保持る」
しか返ってこなかった。

この頃から「そもそもクライミングの基礎ってなに?」と思うことが常となった。
強いクライマーに聞いても、ジムのスタッフに聞いてもその答えがない。
ライミングというスポーツに基礎が存在しないというよりも、基礎が何かをわかっている人が沢山おらず、それを教えられる人もいないということをこの段階で気づいてしまっていた。
が、強くなるしかないと結論づけ、とにかくがむしゃらに登り続けることをした。
そんなことを続けていたら当たり前だが、指の痛みが増し、曲がらなくなった。
登れないものも登れないままである。

2018年中頃、登り方を変えなければこの先これ以上上手くなることはなく、ただやたらに体を痛めるだけ、ジムでも3級止まりから抜け出せない。
やはり基礎がなければこれ以上は無理。と結論づけ、そこからいろんな情報を探し続けた。
ジム内で「部活道というものに参加し、腕は伸ばさないと教わった」ということを言っている常連がいた。
腕を伸ばしてぶら下がって登ると、肩甲骨が引っ張られて、肩甲骨周りが自然じゃない気がすると違和感を持っていた自分にとって興味深い発言だった。
すぐに「クライミング 部活動」で検索した。(その時は部活”動”と認識していた)
「こういうのがあるんだ」と情報を頭に止めるだけであった。

その後、東京粉末のページで部活道について投稿があったり、いろんなところで目にすることが多くなり、2018年11月あたりに、部活動について本格的に調べ、翌年2月頃にロックビーンズに行こうと決心をする。がしかしコロナが発生し関東圏に行くことを断念した。

時間はかかったが、鳳来のガンコ岩で友人と登った際、その友人が誘っていたOさんのおかげで、グラニットで開催の部活道に参加することができた。

<部活道に参加した感想>
初期の頃から「クライミングの基礎って何?」をいろんな人に質問していたが、
その全ての答えを、鈍臭く、運動神経もクライミングセンスもない僕に教えてくれるものでした。
そして自分で導き出していた仮説、「なんとなくそういう気がする」という箇所の答えが出るものだった。

運動神経は良くはないが、中学校では剣道部に所属し、日々基礎練を行っていた。
またこれまでの色んな経験(楽器演奏の練習、言語学習、ウェイトトレーニング)のお陰もあり、どの物事においても基礎が必須であるのは当たり前だという考えが根付いていた。
「基礎練第一」みたいな考え方をしていたからなのか、とても良いと感じることができたのではないかと思う。

今からクライミングを始める人、まだ初めて間もない人は、部活道を受けた方がいいと強く思う。
上手くなるにはやりこむしかない、弾きこむしかない、話しまくるしかないと良く人はいうが、
基礎無くして応用はなく、上手くなる最短距離は、適切な方法で練習することだ。


<基礎練を実際にやって思ったことと解釈した方法>
室岡さんが動画で武道の話を出しているのだが、剣道経験者の私にとっては
「おぉ!」というポイントでもあったし、この解説で、理解がしやすくなった。
またウェイトトレーニングを独学で行なっていた際に知った浅い知識ではあったものの、
筋肉の動きやつながり、呼吸方法等を生かすことができる項目もあった。

剣道経験が得に役立ったのが、
2ステップ、3ステップの2点に対してだった。

剣道では全ての動作や技は正しい構えがあってこそ展開でき、その構えが美しければ美しいほど、
相手から見るとその構えは非の打ち所がなく、間合いに入ることさえできないほどのものとなる。
余談ではあるが、剣道八段とかのレベルの試合になると、構えが完璧すぎて、両者一歩も動かないという試合になる。
ライミングに置き換えると、スタートのポジション、その時の姿勢とかに置き換えられる。
ここから気をぬくなということが容易に理解できた。

で、剣道には三挙動という、素振りの方法がある。
入部してすぐの時はこれをひたすらやり、ここに声出しが入り、
これが身につくと人形を相手に面打ちをはじめ、残心とかの練習が追加され…みたいな感じで続く


これに対してついになるのが二挙動、(または一挙動)という素振りや、実践の動きになるが、
3ステップは言うなれば三挙動で、2ステップは2挙動と置き換えることができた。


こんなことを頭で考えながらしばらく基礎練をしていたわけだが、
中学時代なぜ部活が嫌いになり行くのを拒否したのが、大人になって分析する力がついたので気づいた。
「基礎練習ほどきついものはないから」だった。
同じ動作の繰り返し、テンションが上がるでもなく、自分のできない箇所を修正しようとするが、思う様に上手くいかない、上手くならない。それの繰り返しだから。
ライミングの基礎練も同じ理由で、嫌いになるが、続けた者だけが得られる大きな何かがこの壁の向こうにあるのはもうすでに明確である。

他の解釈として小指からホールディングするという項目
これ剣道でもそうだが、部活道の動画内でも言われている通り、道具を使って何かするスポーツはほぼ全て共通する。
ゴルフのクラブの持ち方もこれだし、ベンチプレス、デッドリフト、スクワットの際のバーの持ち方も小指からである。



8か条の項目の中で個人的に課題となっているのが胸郭運動だ。
これはこれまでやったことのない動きとなり、現時点でも実践しようとしても上手くいかないことが多い。
これはこれまで経験した事項に置き換えて考えようとしても見当たらなかった。
全く初めての動きだということを認識し、これが本来のクライミングであることを痛感した。
現在もこの動きの習得に手こずっているが、もうそろそろ何か見え出しそうな気もしないでもない。

ロックビーンズに行きたかったが、コロナの収束が全く見えないので、次回の部活道開催まではお預けの様子。
自分の癖はまだまだ抜けていかないし、課題は超山積みだ。
基礎練を継続し、3年後の自分が過去最高の自分を余裕で超えていける様にしていきたいと思う。