2021/10/30 明星山 フリースピリッツ

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3年前くらいに気になっていたルート、フリースピリッツに行ってきた。

パートナーは今回も9月に錫杖に一緒に行ったわっきーだ。
男二人旅。

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ルートはネット上に記録がたくさん乗っているので割愛。
いろんな記録や、マルチピッチルート集の記載から、まぁそこそこ気持ちよく登れるルートかなと
勝手に思っていたが、ゴリゴリのアルパインルートであった。

ハイライトは25メートルを草付き、落石、浮石、滑落の可能性等と戦いながら登るピッチ。
やっと取れたと思ったプロテクションは0.1番。
基本全てハーケン、リングボルトなので、どのピッチも心休まらない。
ビレイ点も同様である。

⬇️途中ペツル ハンガーがあってやっと休まったピッチで、高感度がわかりやすい一枚を
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有名な梅干し岩のトラバースでは、途中ヌンチャクが足りなくなり、付け替えしながら登攀。

45メートルの長い右上するトラバースが最後の方に出てくるので、本気で帰りたくなる。
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パノラマトラバースは持ったホールドが普通に剥がれて危うく落ちるところだったり。
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景色はよく、ベストな見頃では無いものの、紅葉クライミングだった。
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下降路はまた滑落の可能性と落石の可能性と戦いながらの下降。

とりあえず五体満足で帰ってこれてよかった。
今年のマルチはなぜかアルパイン、そしてアルパイングレードと経験だけが上がっていく。
ワッキー今回もありがとう

2021/10/9~11 瑞牆、小川山

10/9に瑞牆、10-11と小川山に行ってきた。
今回の遠征で、瑞牆は初めてだ。
周りの仲間がどんどん瑞牆マルチに行き始め、これまで瑞牆に行ったことがなく、いつも行ってみたいという気持ちがずっとあった。
が、その開拓の歴史、思想を知っているため、安易に訪れると大変なことになるだろうとわかっていたため、行きたいという気持ちをずっと抑えていた。
瑞牆は自分にとっては聖域である。それを他の人にも度々言っていた。

駐車場から見た岩峰群は、これまで訪れたどのクライミングエリアのそれとも異なり、
異様な雰囲気と持っていた。
霊感に似たようなものではないが、本能的に「ここはヤバイ」そう感じた。
それは技量が到達していないこともあるが、そもそもここに立ち入ることがヤバイという感覚だった。
自然に畏怖の念を抱くというよりも、その見えない何かに当てられたというのが正しい言い方なのかもしれない。

結果的に、瑞牆はボルトルートであれば行っても問題ないということがわかったが、マルチやクラックに関してはまだまだ行けるレベルに達していないだろうということがわかった。
今回は、イトー氏が山河微笑に行くということだったので、その計画に混ぜてもらい、全ピッチフォローのつもりにしていた。
それくらいマルチのリードに対して自信が無く、恐れ多かった。

そんな気持ちとは裏腹に、キャンプ場等はしっかり整備されていて、アウトドアをあまりしない人にもしようしやすいキャンプ場となっていた。下手したら小川山よりもとっつきやすいかもしれないと感じた。


10/9 瑞牆 モツランド
イトー氏が混み具合、自身の到着時刻、疲れ、何しろ天候が怪しいということもあり、マルチで無くてもどこでも良いということとになった。
自分もどこでも良かったので、イトー氏がやってみたいというレーザズエッジがあるモツランドに行くことになった。
行ったら見知った姿が。鳳来クライマーの小泉さんだった。
まさかここでお会いするとは思っていなかったので、お互いびっくりしていた。

この日は結局のんびりクライミングでアップにたぬき5.10aをやりMOS
途中と上部が悪く、ウォームアップにはあまりお勧めできない感じだった。

その後、レーザーズエッジヘ。
この課題は有名すぎて誰もが知る課題ではなかろうか?
背びれのような岩が続くかっこいい岩とみんな言うが、申し訳ないことに私はそこまでかっこいいとは感じなかった。
オンサイトはイトー氏に譲った。特にこだわりないのでいいですと。
イトー氏ならオンサイトで終わるだろうと思っていたが、2,3ピン目でわからなくなりテンション。
解読がかなり難しい様子。何度か挑戦するもトップアウトできず交代を要請された。

自分の番となりやってみる。同じところでテンション。
色々やってみるとなんかできた。その上でもテンションしたがまた色々試したらできた。
2便目を出してみたら、RPできた。鳳来と同じで、使うホールドとムーブさえわかってしまえばなんてことない課題となった。確信がポイントでありそれ3箇所くらい出てくる。右腕がパンプする。
有名課題を落としたものの、先述の理由があり、あまり喜びに浸ることはできなかった。

10/10-11 小川山
瑞牆を16時くらいに出て、ナナーズにより廻り目平へインした。
T嬢さんがご飯を作ってくれると言うことで、ご馳走になった。二日間夕飯をいただいたがどれも美味しかった。感謝。

初日はイトー氏が蜘蛛の糸に行きたいとのことで、ビレイするだけのつもりで行った。
結果的にトップロープでおさわりすることになった。
前日のレーザーズエッジでは右腕主軸のレイバックだったが、今回は左腕主軸のレイバックだった。
体の両側をやられ筋肉痛。しかも前日もうまいこと体幹を使えていたらしく、腹筋が筋肉痛。
すぐにヨレてしまった。
トップロープでトップアウトはできなかったが、課題の内容とそのクラックの美しさに心を奪われた。登れた時はめちゃくちゃ嬉しいのだろうと。
蜘蛛の糸の後、2峰の取り付きに戻り、ちゃわんむし11aをお勧めされていたので、挑戦する。

外岩で11aを触るのなんて久方ぶりである。
3ピン目までかけれたが、その後のムーブが不明でテンションをかけた。その後トップアウトし、2便目を出すが、やはり意味不明で諦めた。
イトー氏は再登していた。

2日目はジャク豆をやりたいとイトー氏に行って、妹岩に行くことにした。
アップのつもりでカサブランカに取り付いたが、木の手前でテンションをかけた。
再登できなかった。とても悔しかったし情けなかった。
次に龍の子太郎もやったが、RPできなかった。
久しぶりクラックルートで、カムでフォールした。
周りの仲間はすんなりRPしているが、どうして俺だけできないのか?と悔しい気持ちでいっぱいになりハングドッグしながら自身に怒っていた。悔しかった。
こんなことではジャク豆は無理と判断し、エリアを移動した。

八幡沢の左岸スラブに行く。
トムといっしょをやってみたかったので、トライMOS
ジムっぽくグイグイ登れるとあるが、10aではないと感じた。
鳳来のサンバの方がよっぽどジムちっくだしガバガバ登れる。

バリエーションルートもイトー氏がMOSした後、FL。バリエーションルートの方がオリジナルラインよりも簡単だった。意味がわからない。

そのあと本命のジャーマンスープレックス
イトー氏がリードでトライするもテンション。その後トップロープで触る。
何もないと聞いてはいたが、足置きするところが何もない。でもなぜか足が止まる。
凹みと膨らみを踏んでスメアで登っていく課題。
トヨバさんに「これぞ小川山のスラブ」と聞いていたが、これが本当の小川山スラブかと体感した。
これまで触ったスラブと違い結晶踏む系ではないし、カチを踏めるタイプのものでもない。
意味がわからなさすぎて「バカじゃないの!!?」を連呼し、挙げ句の果てには意味不明すぎて終始笑っていた。
でも普通に楽しかった。
トップロープでなぜがノーテンで上部まで行くことができ、上部だけフォールしたが、登れない課題ではなかった。いつかまた挑戦したい。

三日間のんびり登ることができた。
グレードばかりが気になってしまうこの頃、うまいことリセットすることができた。
これも気兼ねなく話ができるイトー氏のおかげだ。

三日間ありがとうございました。

2021.9.11-12 錫杖岳 注文の多い料理店

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もうすでに先週末の話だが、山岳会メンバーのワッキーと錫杖岳に行ってきた。
山岳会に入って1年ほどたった2018年の9月に当初計画されたが、
その後、翌年2019年はなぜかヨセミテに行くという高飛びをし、
昨年の2020年は、いつ行きますかと計画者に確認していたのだが、
ジャク豆でフォールし、捻挫。自分で行けなくさせてしまった。

今回は錫杖岳初めての2人で、アプローチから登攀まで行ったので、冒険感覚がより強かった。
というか、一応アルパインに属しているルートのため、それがそうさせたのもあるし、
前日の雨で自分で落石を発生させる可能性があったせいもあるのかもしれない。

9/11 1:30に駐車場着。七宗町下呂通過中だったかに雨が降っており、翌朝ダメなんじゃないかと思いながら運転していたが、悪い予感が的中した。

5:00頃車内で目が覚める。天井を叩く音がする。フロントガラスに目をやると、やはり雨が降っていた。
となりの相棒の車を見るとがっつり寝ているが、30分後にラインがきた。
予報では昼あたりに雨から曇りに変わり、翌日は晴れ/曇りの予報だったので、11日はのんびりベースキャンプ地までいき、翌日注文の多い料理店を登る計画とした。

とりあえず時間を潰すために二度寝したり、現地実況したりしながらやり過ごす。
近くの砂防資料館が閉鎖しているのに合わせ、トイレもコロナ対策のために閉鎖されていた。
ウ●コのためにも、我が親愛なる黄門様のためにも、鍋平園地公衆トイレに行くことにした。
トイレは無事に開いていた。
駐車場からはこの後行く予定の前衛壁が見えた。ここでもフォレスターが目につく。

戻ってまた二度寝して、準備を開始することにした。
他のパーティーも出発している様で、逆に雨に降られ敗退してきたパーティーもいた。

そんなこんなで登山開始。
登山なんてしない私にとっては、全ての登りが急登にしか感じない。
途中平坦な箇所も多かったが、基本的に急登がずっと続く。泊装備、食料等も入れたフル装備のザックを担いでの歩きは肩にも負担がきて途中で体が曲がり始める。
ストックを2本使用していたが、今回マジで持ってきてよかったと心底思った。
とにかく辛くてヘロヘロになっているところで、踏み外すと落ちれる箇所がなんどもあった。
そこからの笹薮を歩く。楽しくない。

やっとの思いで分岐に到着し、分岐すぐには1パーティーが2つテントを張って宴会中、その下の場所でもテントが張られていた。沢の申し子ワッキーが、良い場所を選定し、タープ候補地とした。
ひとまず、他に場所がないか確認したが、めぼしいところがなかったため、にタープを張り、宿とした。
テントを持って来ず、ツェルト泊予定にしていたが、これが逆によかった。

9/12 5:00頃に朝食を取り始め、準備をする。途中知り合いのHさんが登ってきた。奇遇だ。
6時15分頃に取り付きまでのアプローチを開始した。ここから取り付きまでも普通にきつくてへばった。7時ごろに取り付きに無事に到着。

注文の取り付きにはすでに2パーティーがいた。
1つおくには見張り塔からずっとの取り付きがあり、先ほど遭遇したHさんパーティーが登り始めていた。
前日もそうだったが、登り初めてすぐに汗がびちょびちょになり、そのごシャツが全く乾かない状態だった。この日も同様でシャツが全く乾かない。
汗冷えと格闘しながら登攀準備を進めるが、先行パーティーがいるので、のんびりだ。
第一パーティーは核心のハングでテンションをかけていた。

計画時に「全ピッチフォローでいいなら」と注文が入っていたワッキーだったので、
全ピッチオールリードと覚悟していたら、「もうリードする気満々できたぜぇ?」ってなったので、最初の1、2ピッチをリードしてもらうことになった。

1ピッチ目:フォロー
どこから登っても同じらしいが、雨によりくさつき部はぐしょ濡れ、簡単と言われているにしては悪い。登山疲れのせいなのかなんなのかよくわからない。
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2ピッチ目:フォロー
普通にクラック登りした。途中までオフィズス。溝にはまっていると外側にある足場にできるホールドが見えない。途中クラックからフェイス面に移り、登る。最後が悪い。というか狭い。
そのため右側から回って登り上がった。
2ピッチ目をリード開始前に、迷い込んだ登山者なのか、ただのクライマーなのか不明な野郎が一名。
とにかく危なかった。事故が発生しなくてよかった。
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3ピッチ目:リード
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ここが核心と言われているピッチかと見る。思っていたよりもハングの距離が短く、長期戦にならなければどうってことはないのだろうと観察する。残置の4番が見える。
手がかり足掛かりはあるのだが、体がデカすぎるせいで向きを変えたりするのがすごくやりづらい。
態勢をいろいろ変えていきがゼーゼーしてきた。足もどんどん疲れてきて痺れる。
とりあえずフィスト主体で乗っこす。クラック内部がしっとり濡れているのもあり、いつツルッと行くかわからないこともあり、怖かったが、問題なく行けてよかった。
乗っこしてちょっと登ると見事に5番が残置されており、若干邪魔。5番の上に4番を決めて登る。
どう考えても5番幅じゃないところに5番残置がされており、意味がわからなかった。
地蔵テラスと呼ばれる場所につくが、ここも狭い。
支点構築して、セルフを取るまでしてオンサイトだ!という無意味に自分との戦いが発生。
片手でしかセルフを取りに行けないのに、ビナがクルクル回りセルフがかけられない。
無事にセルフを取り、ワッキーをビレイする。
途中、決めた4番がロープがガッツリ引っかかたせいで、残置になる可能性があったが、ワッキーがしっかり回収してくれた。感謝。

4ピッチ目:リード
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地蔵テラスからコーナークラックを伝って登る様だが、中はしっかりベットベト。
とりあえずクラックに半身を入れていかないと登れなかったので、半身を入れて登る。
濡れていても体が入って止まっているのがわかるので、なぜだか安心感が半端無い。
最近下手なガバよりもジャミングの方がめちゃくちゃ安心する瞬間の方が多い。
クラックから移り、トラバース部分があり冷やっとし、地味にプロテクションが取れない。足も疲労で辛い。
上部もトラバース。ここは簡単だったが、なかなかヒンヤリ系。
その後超快適なテラスへ向かいフォローをビレイ。

5ピッチ目:リード
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もうすぐ頭上には左方カンテのピッチがあり、恐らく懸垂下降待ちと思われるパーティーがいる。
このピッチは快適だった。がここでもまたなぜか新し目の5番を発見する。またか…と。
探せばガバとかあるだろうけど、クラックばかりやっているので自然とオフィズスで登っていく。
左のハンドサイズのクラックは私には悪目のシンハンドサイズ、これオンリーでは登れないなと。
後ろから視線をもろに感じる。ギアラックから後方からカムを取ろうとすると、視線にお綺麗なお姉さんの姿が視界に入る。
結構モロにガチ目にしっかり登りを観察されていたので、恥ずかしかった。
最後の方は左方カンテ側にあるフェイスの方へ移動していくが、徐々にプロテクションが取れない所が出てくる。そして延長したりしたため、スリングがヤバ目。セルフ用と最終終了点構築用のスリングを使ってランナーを取り、終了点へ。
最後はメインロープで支点を構築してフォロービレイすることになった。
ビレイ中、若い男子が懸垂下降してきて、私を通過し、一段下の木にあるスリングで止まろうとしたので、こちら側にある支点使っていいですよと声をかけ誘導した。
2ピッチ目をビレイ中に危険な登山者が危険な行為をしていたため、かなり敏感になっていた。
11時ごろ登攀完了した。


トップからは本峰が見え、Hさんパーティーが大洞穴の横を登っているのがくっきり見えた。
逆に視線を送ると、北アルプスの有名峰が見えるが、登山しない僕にとって
右から山、山、やま、ヤマ、左まで山でしかない。
途中乳首というかおっぱいみたいなのもあるので、もう全部おっぱい山でいいや。
とんがりおっぱい、ロケットおっぱい、お椀型おっぱい、エトセトラ

その後3回の懸垂下降で取り付きへ。
途中、名古屋から来たというパーティーと遭遇し、談笑。上であった男子2名パーティーが注文を登っていた。

地上に無事に戻り、左方カンテも行ける余力があったが、Tシャツも乾かないし、帰りの運転も下道で長いから欲は出さずにそそくさと下山。
取り付きからBCまで30分弱、BCから駐車場まで1時間20分ほどで下山。

今回3年越しにようやくリベンジでき良かったが、調べて知っていた内容と違い、残置が相当多かった。
登攀中に見た残置カムは、
#0.75、#4 X 2個、#5 X 2個の計5個あった。
0.75については幸せ未満のルートに近くなる箇所で、そこにはハーケンもあった。
また注文のルートではなかったが左方カンテにも残置を確認した。
ちょっとこれは残置が多すぎでは無いか?と感じてしまった。
可能な限り残置を回収しようと試みたが不可能だった。

使用したギアに関しては、結果としてカムは2セットもいらなかった。
2セット使ったのは4番のみで、それ以外は1セットずつしか使用していない。
0.3に関しては一度も使用していない。
各ピッチの終了点をカムやナッツで構築するのであれば2セットが必要になる。

ヨセミテと同様な感覚で登れるマルチなのかと期待したが、わかっちゃいたけど、それは無理な話だった。(当たり前)

登攀能力は3年前に比べて今ではクラックのルートをリードできる能力があるため、3年前に行っていたらフォローであってもかなりヒィヒィだっただろうという箇所がポイントであった。
また歩く体力も今の方があるため、あの時もし行っていたら確実に足手まといになっていただろう。
色んな要素が詰まってくるだけに、やはりアルパインとしての特色が強いと感じた。
(まぁ歩きが強い人、地元の人にしてみればゲレンデの域になるだろうけども)

また行くかどうかは、不明。

部活道始めからその後2ヶ月たっての覚書

6/19、6/20に多治見のグラニットで行われた部活道に参加し、それからそこで学んだことを反復練習し、早いもので2ヶ月がすぎた。
部活道に出会った経緯、参加してどうだったかを自分用メモ的に書いておこうと思う。
最近、”部活道”、”基礎練”というワードをクライマー諸氏の投稿で多く目にするし、
タイミング的にもちょうど良いのかなと思う。

周りの仲間にも部活道やった方がいいよ、基礎練した方がいいよと宣伝して回るほど、のめり込んでいる。回し者と認識されてもおかしくない。

部活道ってなに?という人はまずyoutubeで検索して見てほしい。


<なぜ自分が部活道に行き着いたのか?出会った経緯 (長いです)>
2015年1月、新しい趣味としてボルダリングを始めた。
それからリードがしたくて山岳会に入り、本格的にフリークライミングというものにのめり込んで行き、今では割れ目教に入信し、割れ目教徒(狂徒?)と化している段階である。
ライミングをおおよそ6年くらいやってきている中で、初期の頃から指をやらかし、
登る⇆怪我する を繰り返してきている。

2017年あたりから、伸び悩みの打開策が見つからず、周りの登れる人に、どうすれば上手くなるのか聞いたりした。が、自分が欲しかった回答はそこになく、
基礎っぽく思える回答としては「足で登る」、「足を使って乗り込む」だったが、釈然としない。
その他の回答として「登り続けるしかない」、「パワー」、「握れ!」とか、「離さなければいい」とか「保持る」
しか返ってこなかった。

この頃から「そもそもクライミングの基礎ってなに?」と思うことが常となった。
強いクライマーに聞いても、ジムのスタッフに聞いてもその答えがない。
ライミングというスポーツに基礎が存在しないというよりも、基礎が何かをわかっている人が沢山おらず、それを教えられる人もいないということをこの段階で気づいてしまっていた。
が、強くなるしかないと結論づけ、とにかくがむしゃらに登り続けることをした。
そんなことを続けていたら当たり前だが、指の痛みが増し、曲がらなくなった。
登れないものも登れないままである。

2018年中頃、登り方を変えなければこの先これ以上上手くなることはなく、ただやたらに体を痛めるだけ、ジムでも3級止まりから抜け出せない。
やはり基礎がなければこれ以上は無理。と結論づけ、そこからいろんな情報を探し続けた。
ジム内で「部活道というものに参加し、腕は伸ばさないと教わった」ということを言っている常連がいた。
腕を伸ばしてぶら下がって登ると、肩甲骨が引っ張られて、肩甲骨周りが自然じゃない気がすると違和感を持っていた自分にとって興味深い発言だった。
すぐに「クライミング 部活動」で検索した。(その時は部活”動”と認識していた)
「こういうのがあるんだ」と情報を頭に止めるだけであった。

その後、東京粉末のページで部活道について投稿があったり、いろんなところで目にすることが多くなり、2018年11月あたりに、部活動について本格的に調べ、翌年2月頃にロックビーンズに行こうと決心をする。がしかしコロナが発生し関東圏に行くことを断念した。

時間はかかったが、鳳来のガンコ岩で友人と登った際、その友人が誘っていたOさんのおかげで、グラニットで開催の部活道に参加することができた。

<部活道に参加した感想>
初期の頃から「クライミングの基礎って何?」をいろんな人に質問していたが、
その全ての答えを、鈍臭く、運動神経もクライミングセンスもない僕に教えてくれるものでした。
そして自分で導き出していた仮説、「なんとなくそういう気がする」という箇所の答えが出るものだった。

運動神経は良くはないが、中学校では剣道部に所属し、日々基礎練を行っていた。
またこれまでの色んな経験(楽器演奏の練習、言語学習、ウェイトトレーニング)のお陰もあり、どの物事においても基礎が必須であるのは当たり前だという考えが根付いていた。
「基礎練第一」みたいな考え方をしていたからなのか、とても良いと感じることができたのではないかと思う。

今からクライミングを始める人、まだ初めて間もない人は、部活道を受けた方がいいと強く思う。
上手くなるにはやりこむしかない、弾きこむしかない、話しまくるしかないと良く人はいうが、
基礎無くして応用はなく、上手くなる最短距離は、適切な方法で練習することだ。


<基礎練を実際にやって思ったことと解釈した方法>
室岡さんが動画で武道の話を出しているのだが、剣道経験者の私にとっては
「おぉ!」というポイントでもあったし、この解説で、理解がしやすくなった。
またウェイトトレーニングを独学で行なっていた際に知った浅い知識ではあったものの、
筋肉の動きやつながり、呼吸方法等を生かすことができる項目もあった。

剣道経験が得に役立ったのが、
2ステップ、3ステップの2点に対してだった。

剣道では全ての動作や技は正しい構えがあってこそ展開でき、その構えが美しければ美しいほど、
相手から見るとその構えは非の打ち所がなく、間合いに入ることさえできないほどのものとなる。
余談ではあるが、剣道八段とかのレベルの試合になると、構えが完璧すぎて、両者一歩も動かないという試合になる。
ライミングに置き換えると、スタートのポジション、その時の姿勢とかに置き換えられる。
ここから気をぬくなということが容易に理解できた。

で、剣道には三挙動という、素振りの方法がある。
入部してすぐの時はこれをひたすらやり、ここに声出しが入り、
これが身につくと人形を相手に面打ちをはじめ、残心とかの練習が追加され…みたいな感じで続く


これに対してついになるのが二挙動、(または一挙動)という素振りや、実践の動きになるが、
3ステップは言うなれば三挙動で、2ステップは2挙動と置き換えることができた。


こんなことを頭で考えながらしばらく基礎練をしていたわけだが、
中学時代なぜ部活が嫌いになり行くのを拒否したのが、大人になって分析する力がついたので気づいた。
「基礎練習ほどきついものはないから」だった。
同じ動作の繰り返し、テンションが上がるでもなく、自分のできない箇所を修正しようとするが、思う様に上手くいかない、上手くならない。それの繰り返しだから。
ライミングの基礎練も同じ理由で、嫌いになるが、続けた者だけが得られる大きな何かがこの壁の向こうにあるのはもうすでに明確である。

他の解釈として小指からホールディングするという項目
これ剣道でもそうだが、部活道の動画内でも言われている通り、道具を使って何かするスポーツはほぼ全て共通する。
ゴルフのクラブの持ち方もこれだし、ベンチプレス、デッドリフト、スクワットの際のバーの持ち方も小指からである。



8か条の項目の中で個人的に課題となっているのが胸郭運動だ。
これはこれまでやったことのない動きとなり、現時点でも実践しようとしても上手くいかないことが多い。
これはこれまで経験した事項に置き換えて考えようとしても見当たらなかった。
全く初めての動きだということを認識し、これが本来のクライミングであることを痛感した。
現在もこの動きの習得に手こずっているが、もうそろそろ何か見え出しそうな気もしないでもない。

ロックビーンズに行きたかったが、コロナの収束が全く見えないので、次回の部活道開催まではお預けの様子。
自分の癖はまだまだ抜けていかないし、課題は超山積みだ。
基礎練を継続し、3年後の自分が過去最高の自分を余裕で超えていける様にしていきたいと思う。

小川山初め 2021.7.18-19

ジムで知り合い、ちょくちょく一緒に登っていた子持ち人妻のAyuko氏が、
会に入会し後輩となった+それまで小川山で泊まりで行ったことがないということだったので、
レーニング+自身とAyukoさんの総合力の確認も兼ねて二日間小川山に行ってきた。
昨年の9月にジャク豆でフォールし、足首捻挫して以来の小川山だった。

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<計画>
1日目は朝一から人気入門マルチルートのセレクション、ガマルートを登る
2日目はショートルートで遊ぶという計画を立てた。
昨年の土日、祝日、連休の混み様、途中で廻り目平をでて買い出しに行くと駐車場が取れるという事態
が発生することを恐れていたため、前夜発で食料等を買い込み出発した。
廻り目平には17日の午前3時頃に到着し、そこから仮眠してマルチに出発
というなかなか体にきついコンディションとなった。


セレクション 5.8 6P
事前にAyukoさんにリードしたいか確認をとり、Ayukoさんはまだ不安要素が多いので全リードしても良い、むしろ任せます!ときたので、全ピッチリードした。
山岳会に入会して10ヶ月後くらいに連れて行かれたルートで、1P目から威圧感がでかすぎて、とにかく怖いというイメージしか持てず、帰りたくなって仕方がなかったルート。
ある意味リベンジ。
結果として、以前テンションかけたり、エイドで登った4ピッチ目と最終ピッチクラックはすんなり登れてしまった。
体感で難しいと感じたのは、スラブだった。とにかくスラブが苦手、嫌いということを認識した。

フォローで登った時に感じた2P目での恐怖心は、やはりリードの時にあった。
落ちることはない皆んな言うが、私は普通に落ちれると思った。
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ガマルート 5.8 8P
昨年、Kさんと風とともに去りぬ 11a/b (6P)に行った際に、終了点についた時に、
反対側から大学生が登ってきて、ガマルートと終了点が一緒ということを知り、気になっていた。
写真を貼るのが面倒なので、割愛。
内容的にはわざわざもう一度は行かなくてもいいかなというルートだった。
最後のクラックのピッチは、皆んな割愛して登らないらしいが、目的としては
スラブ状岸壁の頭に立つと言うことだったため、そこまでやって懸垂下降した。

2日目
前日の疲れが残っており、よれよれだった。
波乗りITO氏と合流し、3人で回る。
一発目に小川山レイバックに行く。Ayukoさんの目標である、我々2名はRPしている為、
しょっぱなからAyuko氏にリードをさせた。
私は疲れでテンションかけトップアウト。ガメラ本の菊池さんが講習をやるために来ていた。
登り方が綺麗だった。カムも最小携行で、危なくないものだった。

その後マガジンを触るも、日が当たりまくっており、滑りまくり、そして湿っている。
あとから来た強強クライマーMさんも「これは悪い!ガチむりん氏が落ちるのも無理はない」
と行ってくださったので、状態としては最悪だったらしい。
疲れてしまったが、左3つ隣にある、もみじ10aを触り、オンサイトできた。
外岩のボルトルートを久しぶりにリードした気がする。

そして疲れながら愛知にもどった。
もう書くのが面倒なので、かなり雑に締める。
終わり

2021.6.13 名張 屏風岩

瑞浪でクラック5.10台を登れていないのに、名張に通うのは早すぎると書いたばかりなのに、また名張に行ってしまった。

瑞浪の予定をしていたが、また一人でフィックスで登る羽目になるのが確定していたところ、鳳来強強クライマーの脇さん、瑞牆通いの伊藤さん達が名張に行くというので、混ぜてもらった。

前回屏風岩に行った際に触れなかったマシュマロマン、ブロードバンドも気になっていたので、ちょうどよかったかもしれない。

現地集合で8時半前にとりつきに到着。

インスタクライミングカテゴリー各界で有名人のリサさんとも初めてお会いし、軽く挨拶したところで登攀開始。

まずはアップでクラックベイベー。

リサさんはこの日クラック初リード。

5.12中〜後半台を触る人にクラック連れていくと、大体トップロープですんなり登れる上、リードトライするのも早い。

一通りアップが済むとそれぞれお目当てのルートへ。

脇さんと激ツヨアルパインクライマーと名高い近藤さんはパンドラを、僕はとりあえずマシュマロマン。

マシュマロマンは終始日が当たっており、暑そうでトライは後にすることにし、パンドラを登るのを終始見学。

脇さんが無事にRPして凱旋下降。近藤さんはいい感じにプレッシャーを与えられその後2便目で無事RP

驚いたのはリサさんである。

トップロープで難なくノーテンで登り、その後パンドラをリードトライした。その上0.2と0.3で普通にフォールを決め込み、特に怖がる様子も無かった。

やはり登れる人はメンタルが強い。ボルトルートというかリードジムで落ちるのさえ怖がるミジンコの僕には到底真似は出来ない。

この間、僕はエリアの端から端までを行ったり来たり。ベース地をブロック崩しのある辺りとしたため、ご飯を食べに帰ったりしたので何往復もしてそれだけで疲れた。

今日も屏風岩は満員御礼である。

雲もいい感じに出て、日陰になったのでマシュマロマンをトライ。

核心の始まり辺りで体の向きが悪くカムを掴んだ。

その後もテンテンでトップアウト。

強強ズに3番3セット、4番2セットあれば十分と説得されたが、自分は普通に3番5個、4番3個くらい欲しいと思った。

スライドで対応出来るかもしれないが、フォール後が不安、スライドさせる余裕が無い、回収しながら登った、ということを考えるとそれくらい普通に必要だった。

メンタル的にも安心出来ず突っ込めなかった。

ミキペディアに

ヨセミテMoby Dickよりも辛い」と書かれており、かなり不安だったが、Moby Dickを触ったことのある自分にとっては、Moby Dick よりも優しいと感じた。

なぜならマシュマロマンはトップアウト出来たからだ。

対してMoby Dickは出だしフィンガーが出来ずエイトしなければ登れなかった上に、上部のフィスト幅が全くかからないサイズになり、トップアウト出来なかった。

初めて名張に来た際に、当時山岳会の先輩の Suzuさんがナバラーの方々に私の手の大きさを外人サイズと言って確認させたことがあり、あれよあれよと人が集まり、私のサイズに感動しておられた。

その際におそらくOGTさんだったと思うが、「これはマシュマロマンやらなあかんな!」と言っていて、それが何年経ってもしっかり覚えていたのでマシュマロマンにトライするきっかけになった。

また同時に様々な人が、君の体格と手のサイズはワイド向き、ワイドの為に産まれてきたようなもんと言ってくださったのを覚えている。

フィスト時のカム決めにはまだすっぽ抜けるかもしれないという感覚が強い為、そこを練習する必要がある。

あとは体力と感じた。そこさえクリア出来ればRP出来そうだった。

残りはトップロープで色々触るかと思ったが、トレーニングとしてクラックベイベーを左のクラック限定で登ったり、プロテクションを丁寧に取るのに焦点を当てて登ったりした。

そしてまさかの疲れているところでミニラにトライした。

前回屏風に来た際に初触りトップロープでノーテン、その後の初リードトライでヘルメット核心で疲れ切ってテンションという失態をかましたルート。

この日はヘルメットを途中で外して登ったのと、やはり前回触ってルートの対処方がなんとなくわかっていた為、かなりすんなり登れてしまった。

が、辛いものは辛くて、マントル返す際に無呼吸運動で息が辛く思わず叫んでしまった。

次回は叫びなしで登らなければならない。

ワイドのRPは初めてだったので、これは嬉しい収穫であった。

同時に向かい側でサーフライダーを近藤さんが一撃していた。

最後に締めでクラックベイベーを登り、帰路に着いた。

次なる目標に向かい、クラック集中期間はまだまだ続く

Black Diamond Crack Gloves のレビューとジャミンググローブについて考える

昨年のエイプリルフール、キャメロット21番が発表され、
その陰にひっそりと7番と8番が掲載されていたが、同じくして確かこのアイテムも発表されていたはず。

日本の全クラッカーの皆様、大変お待たせ?しました。
今回BDのクラックグローブのレビューです。また巷で耳にするジャミンググローブはチート、裏技なども合わせて考察していこうと思います。
また有名どころのオーツンのグローブ、テーピングとの違いも合わせてお伝えできればと思います。
ただし、永遠の5.9クライマーですので、参考になるかは分かりません。

スクリーンショット 2
↑米国のサイトでも需要のあるサイズは売り切れ。

まず第一に書いておかなければならないと思うので、僕がなぜジャミンググローブを使用するのかを書きます。
これは多分このレビューをする上で避けられないと思うので。

<僕がジャミンググローブを使う理由>
大半の人がテーピングをして登っている中、僕はジャミンググローブを使用し登ることに切り替えました。
その最たる理由が手汗です。
フィストで裏拳状態で登っていると、2、3分以内のうちに手の平は手汗でびちゃびちゃ(小さい湖できます)になります。
ハンドジャムに関しては、ひどいと2、3手でテーピングが皮膚から剥がれ、隙間ができ、テーピングと手の甲の間でずれ、ジャミングがまったく決まらなくなります。実際にこれが原因でジャミングがすっぽ抜け、フォールしました。そして足首を捻挫する羽目に。

そもそもクラッククライミングでテーピングをするのは皮膚の保護がメインで、フリクションをあげて登りやすくすることが第一目的ではないと考えていますが、これだけ手汗が出てしまうのでは、皮膚保護はできるものの、登攀の邪魔になるという状態になります。
皮膚につきやすくする為、登る前日に前腕から手のひらに生えるムダ毛を剃り、手汗を少なくする制汗剤をつけたりもしましたが、いずれもダメでした。
1日に何度もテーピングを張り替えたり、補強したりしていましたが、時間もコストもかかる為、総合的に見てもジャミンググローブを使わない理由が見つからなかった為、使うことにしました。

簡潔に書くつもりが長くなってしまった。色々ありますが、この辺で。

開封〜使用後の状態>
入手してから瑞浪名張、ジムのクラック壁でがっつり使用しました。
まずは開封のところから
開封後に装着。こんな感じ。
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説明書を見ると日本語が存在する。
輸出のことも考えているのかどうかはわかりませんが、ロストアローはギリギリで頑張ってくれているので、儲けが出なさそうなので取り扱わないと勝手に思ってます。
売るとしてもオーツンのグローブと同じくらいの設定じゃないと利益が出ないでしょうね。
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どうでもいいですが、説明書ですごく気になった記載。
右手でジャムするのはいいのに、左手はなんか「!」こうなっている。
当てているクラックの絵も大して変わらないが…。
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岩場でしばらく使用して、いい感じにへたってきた状態です。
名張で使ったらドロドロになって茶色になった形跡が写ってます。
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レザー部分とラバー部分の接着部分の端面はやはり剥がれやすい。
また長いこと使っていると、指を通すホールの付け根が徐々に剥がれてきました。
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これも少し見にくいですが、ラバーの浮きが出てきています。
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<装着感>
ほぼテーピングに近い厚さです。白いしちょっとブニブニしているので、僕は勝手に湯葉みたいだと言っています。湯葉グローブ。テーピングだと3枚くらい貼り付けた感じの厚さに近いかなと。
当たり前ですが、テーピングと比較すると手の甲に対しての密着感はそこまでありません。
手首の部分でストラップを締めますが、締めても手の甲側に隙間があるため、テーピングのようながっちり密着を求める人には不満と感じる部分かと思います。

<ラバー面に関して>
ここもテーピングを使用して登っている感覚に近いと感じました。
ラバーの厚みも薄く、チートになりやすそうでならない辺りの量と粘り気だと感じます。
オーツンのものはがっつりかかりますが、BDのものはマイルドに引っかかる感じです。

<耐久性>
日数にして1ヶ月も使用していませんが、長くもっても1ヶ月くらいじゃないかと。
花崗岩で使用したあと、ラバーの端面がめくれ始めたので、ラバーが先に剥がれるか、レザー部分に穴があくorすり減ってなくなる、それかホールの部分がちぎれるのどれかじゃないかと。

<総評>
ラバーが分厚くないのでハンドジャム、シンハンンドの邪魔にはなりにくいです。
が、やはり手首で固定しているので、血流が阻害されるのかパンプしやすいです。また指のホールについても同様ですが、ジャミンググローブを使用する上では逃れられないデメリット部分ですね。
花崗岩では皮膚の保護は大丈夫か不安でしたが、思っていたよりも大丈夫でした。
ただやっぱり出っ張りがあるところに当たると、それなりに痛いです。
フィストジャムを決めるときは親指が保護されているので、不安なくかけにいけましたが、これは個人差もあるので人それぞれかなと。
手の甲の感覚はしっかりとあるので、ジャミングの際岩に沿って手の形状を変え、微妙な形状のコントロールができると感じました。

<オーツンとの比較>
有名どころのオーツンのグローブです。
分厚いから手のハンドサイズがキャメロット3番の僕にはちょっときつい。
BDのものを使った後に使用すると、違いがありすぎてびっくりします。
ちなみに、装着しづらいので、マジックテープがある箇所に切れ目を入れて、装着しやすくしてます。
あと、僕はこれを使用して2回登っただけで、この赤い皮の部分が湿ります。
IMG_1179.jpegIMG_1180.jpeg

長いこと使用していますが、この部分がもう少しで千切れそうです。
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BDのと比べて、ジャミングを適当に決めてもしっかりかかるのと、手の形状を変えなくても、スコンとジャミングが決まります。
「ジャミンググローブを使うとジャミングは上手くならない」とか「簡単に止まるからチート」
と言われる理由はここにあると個人的に考察します。

ジャミングは手の形状を岩に合わせてぴったりさせ、クラック内部に挟み込み、ズレないようにさせるのが基本的なところだと思うのですが、オーツンのものは適当に奥に突っ込んで親指を内側に倒せばまずジャミングが外れることなく、ずれることもなく決まります。
ジャミングのずれる、外れるかもしれないという部分を機にすることなく、「かかった」と思ったら、そのまま腕を引きつけてしまえばクラックを登っていけるような仕組みです。

対して、BDのものは少しでも当たりが悪いとズレ始めます。かかっている感覚もずれるかもしれないという感触があり、場合によっては指の位置を変え、手の甲部分の骨の膨らみ、当たり位置を調整していく必要がある時もありました。また先述した通りラバーもオーツンのものと違い、がっつり効くような粘りけではないので、ラバー部が当たっていてもズレていく感触があります。

一番しっくりくるのは車に例えることかと。シューズでもよく見る記載ですね。
オーツン:オートマ
BD:マニュアル
という感じがしました。

ジャミンググローブは使いたい、でも人目が気になるとか、今後ジャミングの精度を高めたいと感じる人にとってはBDのグローブの方が向いていると思います。
オーツンのグローブはクラックが初めての人、インディアンクリークのようなスパッと割れて表面がサラサラの岩に対してはめちゃくちゃ相性がいいんではないかと(行ったことないので知りませんが)

ただ、これを使っても登れないルートは登れないし、ジャミンググローブを使ったからといって必ずしも登れるということではないという事実も勿論あります。

色々とかいてみましたが、一個人としての考え、意見が大半だと思うので、そんな考えもあるんだな〜程度に流して貰えばいいと思います。

ジャミンググローブ使って登るとかダセェとかチートとかありますが、
人類代表:最強と言われるアダムオンドラさんはがっつり使って登ってますので、もうそんなんいいんじゃね?と僕は思っています。


あと今年、ワイドボーイズが監修してるクラックグローブが発表になってます。
こちらの作成の裏ムービーではBDのグローブっぽいものが置かれてたので、かなり対抗意識を持って作られています。
トムさんが熱意を込めて話してくれています。
こちらもいつか試したいですね。

スクリーンショット 20